包括申請では学校の上空は飛ばせない。
先日、学校での撮影案件のご相談を頂いた際に、
学校での飛行の場合は個別申請する必要があるので
申請に日数が必要と説明をさせていただいたことがありました。
そのクライアント様は別に事業者さんからは「うちは包括で許可取ってるからいつでも飛ばせる」と言われたそうで、
個別申請の必要があるとは思わなかったとのことでした。
その場では雑談がてらご説明させていただきましたが、これは大きな間違いです。
包括申請の手続内容と飛行マニュアルについて意外と知られていないんだなと改めて思いました。
今回は学校で飛行させる場合について解説させていただきます。
包括申請はどこでも飛ばせる許可ではない
包括申請でドローンの飛行許可を取得する場合DIPS、またはWord形式の申請書に記載して行います。
この中で「安全を確保するために必要な体制に関する事項」という箇所があります。
通常、独自のマニュアルなどの指定がない場合は「航空局標準マニュアルを使用する。」にチェックして申請します。
許可を取得後は航空局標準マニュアル(=飛行マニュアル)を遵守して飛行させる必要があります。
飛行許可申請様式
DIPS申請画面
航空局標準マニュアルとは
航空局が定めたドローンの運用に関してのマニュアルです。
主な内容としては、
- ドローンの点検、整備、記録方法
- パイロットの訓練、遵守事項
- 飛行する際の安全確保の体制
- 非常時の連絡体制
などが記載されており、飛行禁止エリアで飛行させる場合の重要な取り決めとなっています。
(リンク:航空局標準マニュアル02)
この中で、「3-1 無人航空機を飛行させる際の基本的な体制」で以下の記載があります。
第三者の往来が多い場所や学校、病院等の不特定多数の人が集まる場所の上空やそ
の付近は飛行させない。出典: www.mlit.go.jp
そのため、包括申請時に「航空局標準マニュアルを使用する。」で許可・承認を取った場合、
学校、病院等の上空やその付近ではドローンの飛行は行えないことになります。
飛行させるにはどうすればいい?
飛行日時や飛行経路を特定した個別申請をすることで飛行させることが可能になります。
または包括申請の際に独自のマニュアルを作成し、申請することで可能になります。
最後に
ドローンの飛行許可・承認はどこでも自由に飛ばせる許可ではありません。
飛行マニュアルに記載された飛行方法、周囲への安全対策などを十分に確保してその範囲内で飛行させることができるということです。
また、飛行マニュアルには学校以外にも人口密集地区での夜間飛行や目視外飛行を行わない、
夜間飛行時は目視外飛行は行わないなどが規定されています。
内容を十分理解したうえで安全なドローンの運用に努めたいですね。
また、クアッドでは学校・病院の周辺での急なご依頼に対応できるよう、
自社で独自のマニュアルを作成し、航空局より許可を得ておりますのでご安心ください。
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